KOCHI ARTISAN

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高知で活躍する作家さん

#01

下本一歩さんの竹の仕事

思考と手の技からうみ出される生活道具のいろいろ。孟宗竹の特性を生かし、なお細部にわたり完成度の高い仕上がりに、つい見入ってしまいます。出会いから10数年の間に出来あがったそれぞれをあらためて、ご紹介いたします。

お玉

毎日作る、みそ汁にはこのお玉がきもちいい。土鍋で鍋物には小ぶりのお玉と穴あきお玉があれば無敵。鍋肌になじみます。

フォーク

お子様やご年配の方にも扱いやすい、小ぶりなフォーク。持ち心地も軽く、竹製ならではの優しい口当たりです。

トング

竹のしなやかな特性を活かしたトング。金物にはない温もりがあります。

しゃもじ

いつも土鍋でご飯を炊くので竹のしゃもじはなくてはならない相棒です。

竹の菓子切。

和菓子にはやはり竹素材が似合います。

コーヒーメジャー

使う度にコーヒー色に染まってゆきます。経年変化を楽しむ。いい時間がながれてゆきます。

お箸

最初はすこし太い箸先でした。それはそれで安心感があり丈夫でとっても愛着のある箸でした。お客様よりの希望もあり箸先の細い仕上がりの箸を作るようになりますます洗練されてきています。里芋や豆類などにもいい具合。とっても美しい箸へと進化。夫婦箸はプレゼントとしてもよきお品です。

ランプ

竹筒に切り込みを入れてつくったランプシェード。切り込みから漏れる灯りと影の陰影がとても優しく、見ているだけで癒されます。

湯飲み

竹の節を底にしたシンプルな湯飲み。丁寧な手作業で口当たりもよく仕上げています。

道具かけ

一つの竹筒を曲げてつくった調理道具かけ。つなぎ目がないから柔らかな印象をうけます。

Creator’s thoughts
作り手の想い

どのアイテムも使いやすさから生まれる、機能的な美しさと手仕事ならではの温もりがあります。使う事を考え抜いた素晴らしい作品は、どのような想いで創作されているのか尋ねてみました。

もの作りで生活している人はたくさんいますが、それぞれ続けられてる理由は違うと思います。

僕の場合は、使いきれないほどの竹が山を荒らしていて人にも環境にも問題があるという状況、その素材を使ってものを作るということが嬉しい自分、作ったものを喜んで使ってくれる人、このバランスがとれていることが気持ちよくて続けられている理由だと思います。

あとは自分の作品の形には特徴があるのかなと思ってます。例えば一番分かりやすいのはお玉です。お玉の形自体は全く新しいものではなくごく普通の家庭にあるものを参考にして作ってます。そして僕の性格的にも同じものを正確に作ってしまうので面白みに欠けますが、お玉は節をそのまま使うので竹の大きさや歪みがそのまま作品の形として残ります。それはお箸やトングにも当てはまるし、全部の作品にとても良い影響を与えてる要素だと思います。作り手にとっての面白さにも繋がってます。

PROFILE

下本一歩

2001年、高知市鏡村に炭窯をつくる。
2003年、炭窯の近くに居を移し、木や竹の炭を焼きながら竹細工を制作。「くらしの中に自然に入っていけるような物をつくりたいと想いから、使いやすさにこだわった日用品を手作業で制作。